つま先のキズ修理と鏡面磨き
更新日:2018年4月22日
引き続き、つま先の傷補修について別のお靴を事例にご紹介いたします。

靴のつま先は普段使いで履いていると、どうしても傷付けてしまうものです。
その傷が気になる気にならないは捉え方に個人差があります。
今回のようなキズは、「気になる」という方のほうが多い事例ではないでしょうか。
この場合、つま先に元々顔料加工をしてある靴であるため、靴クリームを塗っただけではキズを隠すことはできません。
そこで・・・

今回お客様が気にされた傷は深く抉れて凹凸になっています。
まずはそこを平らにすることから始めます。つまりヤスリ掛けを行ないます。
これもむやみやたらにヤスリ掛けをするわけではありません。
激しく擦ると、革自体が削れ過ぎて薄くなり、逆にその箇所が不自然になるからです。
(このヤスリ掛け自体は決して靴に良い事ではないのですが。詳しくは後述にて…)
細心の注意を払いながら作業を行います。

その後、顔料を少し含んだ着色クリームを薄く塗り込み、少し放置させます。

そして、やっと皆様も持っている(であろう)靴クリームを塗り込みます。
そして、ブラッシング→乾拭きといった具合です。
すると…

つま先の擦れキズがほとんど目立たなくなりました!
そして、さらに今回はこのキズ補修に加えて…

つま先の鏡面磨きを施しました!
(※鏡面磨きはハイエンドポリッシュをご注文いただいた方のみのサービスです。)
ちなみに宅配サイトで靴磨きをご注文いただいたお客様は、キズ補修の追加料金は特にいただいておりません。
これには理由があります。
お客様の靴の状態は千差万別です。
どのようなキズや状態なのか、私たちの手元に届くまでそれが分かりません。
店頭接客であれば、直接お客様と対峙しながらその状態を確認することができます。
しかし、ネットではそれが出来ません。
靴が私たちの手元に届いてから、キズ補修代が新たに追加になる。。
そのような気分を害するご提案は極力避けたいのが本音です。
お客様には安心して、靴磨きの注文をしていただきたい。
その思いがあり、こうしたキズ補修は追加料金はいただきません。
つまり、靴磨き料金の中にキズ補修代が含まれている、ということです。
しかし、このキズ補修。
弊社で行なう場合、ほとんどが事前にお客様にご了承をいただいてから行います。