つま先のキズ補修について
更新日:2018年7月18日

靴のつま先は普段使いで履いていると必ず傷つけてしまうものです。

その傷が気になる気にならないは捉え方に個人差があります。
私たちはお客様あっての商売ですので、お客様が「気になる」と言えば
当然その修繕する手だてをご提案します。
今回のようなキズは、靴クリームを塗っただけではキズを隠すことはできません。
そこで・・・

今回お客様が気にされた傷は深く抉れて凹凸になっています。
まずはそこを平らにすることから始めます。つまりヤスリ掛けを行なうのです。
これもむやみやたらにヤスリ掛けをするわけではありません。
激しく擦ると、革自体が削れ過ぎて薄くなり、逆にその箇所が不自然になるからです。
(このヤスリ掛け自体は決して靴に良い事ではないのですが。詳しくは後述にて…)
細心の注意を払いながら作業を行います。

その後、顔料を少し含んだ着色クリームを薄く塗り込み、少し放置させます。

その後、やっと皆様も持っているであろう乳化性の靴クリームを塗ります。
そして、ブラッシング→乾拭きといった具合です。
すると・・・

つま先のキズが

ほとんど目立たなくなりました!
とこのようなキズ補修はやり方の一例に挙げられます。
ちなみに宅配サイトで靴磨きをご注文いただいたお客様は、キズ補修の追加料金は特にいただいておりません。
これには理由があります。
お客様の靴の状態は千差万別です。
どのようなキズや状態なのか、私たちの手元に届くまでそれが分かりません。
店頭接客であれば、直接お客様と対峙しながらその状態を確認することができます。
しかし、ネットではそれが出来ません。
靴が私たちの手元に届いてから、キズ補修代が新たに追加になる。。
そのようなテンションが下がるご提案は極力避けたいのが本音です。
お客様には安心して、靴磨きの注文をしていただきたい。
その思いがあり、こうしたキズ補修は追加料金はいただきません。
つまり、靴磨き料金の中にキズ補修代が含まれている、ということです。
しかし、このキズ補修。
弊社で行なう場合、ほとんどが事前にお客様にご了承をいただいてから行います。
なぜなら、ヤスリ掛けという行為自体が決して革に良いことではないからです。